新しいキャンバスを作る
今回はいよいよ、キャンバスを作ってみよう。キャンバスの上にシンボルを配置して、VOCAとして使うんだ。キャンバスは複数作って切り替えることができるぞ。これが、VOCA専用機ではできない、アプリとしての利点だね。(注:無料のDropTalk Liteでは、キャンバスが1つしか作れない制限があります。課金して制限解除すると、複数同時に使うことができます)
キャンバスを作ったり、管理したり、表示したりするのは、キャンバス画面だ。タブを使って選択しよう。

新しいキャンバスを作ってみよう。画面上部にある「+」ボタンを使うんだ。これを押すと、メニューが出てきて、「新規キャンバス」か「新規フォルダ」を選ぶことができる。もちろん、新規キャンバスを選ぼう。

すると、新規キャンバスの作成画面が出てくる。キャンバスを作るときは、あらかじめテンプレートが用意されているので、これを選択するんだ。

この画面をよく見ると、上の方に3つの分類があるよね。実は、キャンバスには種類が3つあるんだ。それぞれ、コミュニケーションキャンバス、スケジュールキャンバス、スケッチキャンバスって呼ばれている。
コミュニケーションキャンバス
DropTalkでの標準的なキャンバスだ。キャンバスの上に格子状にシンボルを並べるものだ。もっともVOCAらしいキャンバスだね。
シンボルの数は、どのテンプレートを使うかで選べるよ。もし好みのシンボル数がなくとも、キャンバスを作った後で数を変更することもできる。たとえば、50音キーボードみたいなキャンバスを作ることも可能だ。


背景に画像などを描き込むこともできるよ。

スケジュールキャンバス
予定を管理するためのキャンバスだ。あらかじめ予定がわかっていないと、不安になってしまう子供達がいるよね。そんなときはスケジュールキャンバスを使って予定表を作ることができるんだ。
もしかすると、予定が変更になることもあるかもしれない。そんなときでも、スケジュールキャンバスなら簡単に修正することができるんだ。紙に書いた予定表だと、そうはいかないよね。


スケッチキャンバス
コミュニケーションキャンバスは、シンボルの配置が格子状に固定されているので、すぐに使い始めることができる。でもその反面、思い通りの位置にシンボルを置くことはできないんだ。そんな不満に応えるために作られたのが、スケッチキャンバスだ。
スケッチキャンバスでは、シンボルを好きな位置に好きな大きさで配置することができる。それだけじゃなくて、キャンバス上に写真を貼り付けたり、テキストを描いたり、指でなぞって絵を描くことができる。まるでグラフィック系のアプリみたいに使えるんだ。



キャンバスの縦と横
キャンバスに3つの種類があることはわかってもらえたと思う。さらにテンプレートをよく見ると、それぞれの種類の中に、「縦」と「横」の2つのタイプがあるよね。

これって、ちょっと奇妙だよね。iPhoneやiPadみたいなデバイスだと、縦向きに持っても横向きに持っても、画面がクルンクルンと回転して、どっちの向きでも使えるよね。というか、使えるようにするべきなんだ。
でも、DropTalkでは、あえてキャンバスの向きを縦か横に固定している。もし、iPadで縦のキャンバスを無理やり横向きの画面で開こうとすると、「デバイスを縦向きにしてください」っていうメッセージを表示するようにしているんだ。

これは、実際に子供達が使っている状況から決定されたものなんだ。子供達がiPadを手に持って使うときを考えよう。iPadは子供の手には結構大きいし、肢体不自由の障害があったりすると、なかなか静止して保持することができない。そうすると、iPadの画面がしょっちゅうクルクル回転してしまうんだ。これでは使いづらい。
また、車椅子に座っている子のことを考えよう。この場合、何らかの台やテーブルの上にiPadを置いて使ってもらうことになると思う。この台の上にiPadがしっかり固定されればいいんだけど、なかなか難しい。専用の固定具でもあればいいんだけどね。だから、水平に動きやすい状態で置かれたまま使うことになる。
そして、iPadの画面の回転は、水平に置いた時がいちばん不安定になりやすいんだ。技術的な話をすると、画面の向きは重力加速度を使って決定されている。センサーを使って、重力加速度が画面の4辺どちらに向かっているものが大きいかで判定するんだ。この方法だと、デバイスを地面に対して垂直に持っているときは安定するんだけど、水平にしてしまうと、ちょっとしたゆらぎで方向が変わってしまう、不安定な状態になる。結果として、画面がすぐにクルクル回る、使いにくいものになってしまうんだ。
こういった問題に対応するために、キャンバスをあえて縦と横に固定することにした。こうすれば、キャンバスを開いている間は、縦と横の回転を抑えることができるからね。ユーザの使用状況から、アプリの仕様を決定した一例だ。
DropTalkの入手方法は、こちらを読んでね。